おっす!
おらイサム!
今回は画家の佐藤温君の自宅のアトリエにお邪魔してインタビューしてきました。
温君とはスケートボードで知り合いよく一緒に滑るんですけど、絵を描く事について詳しく話を聞くのは初めてです。
絵を見た事があっても、絵を描く人がどうやってるのかを知ってる人は少ないと思います。
このインタビューを見てちょっとでも興味を持ってくれたら嬉しいです。
それではインタビュースタート!
〜画家みたいやん!〜
遊 おじゃましまーす。この絵は温のやな?こっちの抽象画は?
温 それは親父が描いたヤツです。こっちが玄関です。
遊 めっちゃ古民家カフェみたいやん。薪ストーブに囲炉裏とかめっちゃいいなー。
温 いやいや、ボロいっすよ。笑。俺の部屋上なんすよ。階段危険なんで気をつけて上がって下さい。
(2階にあがる。)
遊 ヤバーー!画家みたいやん!笑
温 笑。一応絵書くんで、、笑。
遊 え、なにこれ?こっちは?これってどういう順番で書くの?
温 このデッサンみたいなもんをパソコンで書いて、、それをこれ(カーボン紙)でトレースして、、そっから色付けて、、
遊 。これは?(下にあるパテを見て)
温 この生地キャンパスなんすけど、ざらざらじゃないすか。それをこれ(パテ)で平らにして、、
遊 そういうのって習うの?
温 いや、習わないす。自分でこう、、試行錯誤して。
遊 スゲーな。画家やな、、、でも、アトリエにゲーム置きすぎじゃね?笑
温 ばれました?好きなんすよ。笑
遊 俺もわりと好きやでわかる。笑。あ、ちなみにもうこれ撮って(録音して)ますんで。さっそく、自己紹介からお願いします。
温 あ、了解です。笑。佐藤温です。絵描きをやってます。29才です。
遊 出身地は?
温 生まれは埼玉で、その後、上宝村、今は河合です。
遊 お父さん絵描きやんな?こっち来たときもう絵書いてたの?
温 そうです。とおちゃん絵描きで
佐藤茂明っていうんすけど。
遊 お父さん結構有名?玄関にスゴイ絵あったけど。
温 どーなんすかねー?昔、早川文庫のミステリーの表紙飾ったりだとかはやってたみたいですけど。東京芸大大学院卒。で美術の先生やってたんすよ。で、俺が小学校位のときからこっちで教えてたみたいです。河合とか宮川とか。西高校も行ってたのかな?
遊 じゃあブログ見た人のなかで習った人もおるんじゃない?
温 多分いるとおもいます。
遊 「あー、あの髭生えた人な。」みたいな?笑
温 そうそう、髭もじゃの、、笑。俺も習ってましたから。で、そのまま河合で。高校も工業(高山工業高校)で。
〜こんなんなっちゃった!〜
遊 その後は?
温 めっちゃ長くなるけど良いですか?高校卒業するタイミングで何も考えてなくて。みんな就職とか進学する中一人そのまま、、無職スタートしたんす。
遊 スケートボードだけ持って?笑
温 笑。そうですね。で、双六の山小屋籠ったり、その後富山に引っ越したり。でもやる事ないし、専門(学校)でも行ってみよかなって親父に相談したんすけど、、、そのタイミングで親父の知り合いの寿司屋、神奈川の逗子なんですけど、そこの大将が写真撮ったり、アート好きな人で。で、大将が絵をギャラリーみたいな感じで店に飾りたいってことで、親父が飾ったんすよ。
遊 ほうほう。
温 で、親父が「息子が専門行こかなって」話を大将として。でも専門学校で絵を習ってもねって。とりあえず絵あるなら飾ってみたらって言われて。
遊 その時点で絵はあったの?
温 昔っから絵好きだったんで結構書いてたんすよ。キャンパスとかじゃなくて紙とかですけど。
遊 家の壁にも描いてあるもんね。
温 大した事ないんすけど、、(部屋の一角でごそごそしながら)ここに歴代の、ゴミが。
遊 ゴミ。笑。あ、でもスゲー量。結構あるな。捨ててない感じ?
温 捨ててないかな?ここはゴミみたいなもんが集まるとこ。笑。片付けないかんのすけど、、
遊 小学校の時の絵あんの?
温 この辺とか、、片鱗が見えますね。
遊 あ、本当や。基本的に変わってないな。
温 ま、もうちょいまともに見れるものもあったんで、寿司屋に飾ってもらって。値段付けて売ってたんですけど。
遊 売れたの?
温 それが何枚か売れて。そっからっすよ!こんなんなっちゃったのは。笑
遊 こんなん。笑。売れたでだしかんのや?
温 はい。それがまた売れた相手が武蔵野美術大学の教授で。
内田あぐりっていう、日本画家の有名な人に売れちゃって。て言っても1,000円2,000円なんすけど。で、その内田あぐりって先生が
日本橋の高島屋の美術画廊xっていう、近代的な展示するんすけど、そこのギャラリーと関わってて。(パンフレット見せながら)こういう、、
遊 (パンフレット見ながら)あー、わからんやつや。笑。わっかんねーけどなんかスゲーってやつ。笑。
温 で、そこでその先生が個展やるっていうんで、高島屋の担当者が先生の家に打ち合わせに行くわけですよ。で、その打ち合わせの時に僕の絵、紹介してくれたんですよ。
遊 内田あぐりさんが、温の1000円の絵をギャラリーの人に見せながら、こんなんおるよって?
温 はい。そしたらまたちょうど画廊の人も「誰にも手のつけられてない真っ白なやつ」を欲してたらしくて。笑
遊 真っ白。聞こえ良いけど、素人ってやつやな。笑
温 そうそう!笑。素人でも、まー、教授みたいな人から紹介されたらありじゃないかと。
遊 学校で習ってないやつで、基本できてないってのがよかったんかな。
温 それで、じゃあやるか!と。僕が19才の時。いきなりここ(高島屋美術画廊X)でやりませんかって連絡がきて、やったんすよ。
遊 何?ここで貸し切り?個展?
温 そうっす。
遊 個展なの?!いきなりこんな広いとこで?!大分ぶっ飛んどるな。
温 そうなんすよ。そっから1年とか2年おきとかでやらさせてもらって、そこで絵の道に進ませてもらいました。
遊 スゲー。ここまでやってても絵では食っていけんの?
温 全然食えないっすよ。多分、高島屋の人も手探りやったと思うし、結局俺も分かんない状態やったし。
遊 担当の人もそれを楽しんどるみたいな?
温 そうすね。その数年で化ければよかったんすけど。
遊 化けれんかったんやな。笑。ま、そこで化けとれば仲良くなってないしな。
温 突き出るものはなかったんですね。その時は。今もかもしんないですけど。
遊 (色々ファイルの絵を見ながら)この辺とか、、今に通じる感じの。(初期の見ながら)これはもう絵を習ってない感じ、、、
温 この辺はとにかく(前作と)違う事しようと。
〜上海へ〜
遊 高島屋の個展何年かやって、その後は?
温 枝香庵とか、飛騨市美術館でも個展やってます。
遊 今度そこで上海行くんやったっけ?
温 それはまた別で。高島屋の人が紹介してくれた
ギャラリー椿っていうところからです。そんな感じの繋がりとかから海外でも何回か個展させてもらって。次は上海でやります。
遊 上海めっちゃ売れたらいいな。売れたら奢ってよ。笑。これ値段は画廊の人が決めるの?
温 はい。大体。そこまでの実績とか、相場とか。人気があれば次の時は、みたいな。
遊 あー、なるほど。いっぱい売れたら次から上がる、、、堅気じゃない世界やな。定価がないわけやん。
温 そうですね。サイズで相場はあるんすけど。
遊 俺みたいな素人やと、値段書いて無いからよくわからんって所はあるよね。これ次だすやつ?
温 はい。その一番デカイやつ、35万です。その小さいやつが4万です。
遊 わっかんねーなー!笑。そのデカイのでどんくらい(時間)かかるの?
温 うまくいけば2~3週間、1ヶ月以上かかることもあります。
遊 一月かけたやつが全部売れる訳じゃないと。そういうこと?
温 そうそう。ほぼ売れないです。笑。
遊 そういう世界や、、、堅気じゃないな。笑。
温 はい。笑。で、今月25日から上海へ行く、と。長かったけど自己紹介終わりです。
遊 オッケー。自己紹介終わりやな。長かった。笑
温 ゆってももう10年になるんで。
遊 絵で飯食ってけるの?。
温 いえいえ、全然です。日本で飯食えてる人、1%もいないと思います。もう金じゃないですね、夢を追ってる状態です。一番は自分の納得するもんを作りたいですね。
遊 大変やな。納得っていうと?自己満足したい訳じゃなく、、、
温 絵描いて、そのまま置いといたらただの趣味じゃないですか。それをしかるべき場所に値段を付けて出して、それで色んな人に見てもらって、、、その評価が一番簡単な見分けかたっていうか。自信持って出したやつが弾かれるかもしんないし。まだまだそこまで行ってないですけど。
遊 それがはまった時に突き抜けるんかもな。やりたいことと噛み合うというか、、、いっつもどうやって絵を描いてるの?絞り出す感じ?
温 うーん、なんていうか、、、スケーターとかって街見ると視点違うじゃないすか。
遊 わかる。階段を飛び降りたり、縁石を擦ったり。下にスケートの写真張っておくよ↓
温 そうそう。笑。そういう感じで物事を違った視点でみるというか。視覚的なものを逆さまにしたり、拡張したり、小さくしたり。あとは心の面、思ってることあんまりストレートにならないように捻りながら、、、ってことをずっと考えてますね。考えてないと出てこないです。
遊 有りのままを表現するって訳ではないんやな。
温 うーん、表面的に綺麗だとかテクニックだとかは後からついてくるのかなって思ってます。描きたい事を描いてる内に表現できる時もあるし、描いててもその時点では表現出来ない事もあるし。それを越えて行くというか、、そういった中でそれをオリジナルな事が出来たら面白いというか、、、
遊 言葉にすると難しいな。グループ展とかで一緒にやる人ってどんな人?
温 わりと若い人が多いです。
遊 温みたいにバイトしながらって人も多い?40~50才とかの人も?
温 ざらですね。
遊 すげー世界やな、、、最後に何かこのブログ見てる人に何か言いたい事ある?
〜絵、見よーよ〜
温 言いたい事すか、、、「絵、見よーよ。」ですね。笑
遊 どう見るのがおすすめ?
温 俺が見るときは勉強みたいになっちゃうんで、、、でもギャラリー行くと年配が多い。若い人にも見てもらいたい。あとは家に絵を飾って欲しい。
遊 俺がもし一山当てたら温のデカイ絵買うわ。笑
温 お願いします。笑
遊 なんというか、絵を見て何かを見つけるつもりで見ると楽しくない?
コッシーの絵の展示会の時に気付いたんやけど見るだけやと見て「おしまい」やけど、見つけるつもりで見ると「何でこう描いたんだろう?」とか考え出すのが楽しいというか。
温 そうかもしんないすね。
遊 それが圧倒的な人は向こうから圧してくるというか。
温 そういうのもあるっすね。それもあるし見つけに行くのも楽しい。結局メッセージがあったり無かったりなんですけど、それを本人の意思通りに受けとる必要は無いんで、、、年取れば同じ絵見ても受け取りかたが変わったり。
遊 そんな感じを感じるために絵を買って下さいと。
温 そうやって見てもらえたら絵描き冥利につきるというか。
遊 絵を買ってもらったところから絵描き人生が始まったわけやしな。
温 そうですね。
遊 上海の展示会、頑張って!ついでに上海の街、スケートで滑り散らかしてきてよ。
温 滑る訳無いですよ。メンタル豆腐なんで、俺。笑。
遊 笑。楽しんで、また土産話期待してます。今日はありがとうございました。
温 いえいえ、こちらこそありがとうございました。
温君、おれはあつしって呼んでますが、飾らない人柄が醸し出たインタビューになったと思います。
今月末から上海に乗り込み、拙い英語で接客してくるそうです。頑張って!売れたら美味いもん食いに行こうぜ!笑
そんな「アソビト」の次のアーティストは初の女の子です。
インタビュアーは初のグッサン!(の予定)
お楽しみに!